OVA-RW 紹介小説(シンクレアー)

「ハハハ、今日は大猟だなぁ? どうよ、俺の稼ぎはよぉ」

得意げに仲間の一人がニヤついた顔をしながら俺に話しかけてくる。
ウゼェ……見りゃわかるだろうが。それに、テメェだけでやったんじゃねぇ。
俺達がいたから出来たんだろ。群れなきゃ何も出来ねぇチキン野郎が。
内心はそう思ったが、ここで仲間割れしても面倒だ。
適当に合わせといてやるか。そこで俺は、グッジョブと親指を立てて仲間の功労を称えてやった。
肝心の奪ったものといえば、目の前にある赤いスポーツカー。車だけなら大猟とは呼べないが、今日はオマケが付いていた。
血を流し倒れている一組の男女だ。そう、俺達が奪ったものだ。
この車はいつもなら売り払って俺達の小遣いにするが、気に入ったという奴がいるんでそいつにくれてやる。
男のほうは衣服や装飾品を全て剥ぎ取り、念のため首元と胸に刃物を三度刺し、車でひき潰しておく。後は野良犬が勝手に食ってくれるだろ。
車のナンバープレートは、帰ってから剥ぎ取ってやる。それまでなら大丈夫だ。
『お楽しみ』のために、辛うじてまだ息がある女を俺達が持っていた車のトランクに押し込み、いつもの場所に向かおうとしたんだ。

「それじゃチャーリー、お前のところでやらないか」

「オーケ、それじゃ先に行ってるぜ。寄り道すんじゃねえぞ、ティール」

仲間が奪った車に二人乗り、残りは俺達四人が乗り、エンジンを吹かし全速力で仲間の一人のホームへ向かおうとした。
ここまではいつも通り、順調すぎて欠伸が出るほどだ。
早く着かないか、今か今かと心待ちしている俺や仲間がいるわけだ。トランクには『お楽しみ』まで積んでるわけだしよ。
ああ、我慢できねぇ、出来ることならあの路上でやりたかったが、外でやるにはちと寒い。
それに、足が付くってのは不味いしな。こんなところはとっととオサラバしてやりてぇところだ。

「急げよオイ、『お楽しみ』が冷めちまうぞ?」

俺は後部座席からドライバーに向かって、少し急かした口調で言ってやった。
後少しだ、あと少しでやれるぜ。あぁ、我慢できねぇ。
だが、今日は違った。
何をトチ狂ったのか、ドライバーの野郎が壁に向かって車を突っ込ませやがった。
ヤクに手を出して、ついにイカレたか? だとしたらコイツは捨てなきゃならねぇ。
が、どうも違ったようだ。
目の前には同じツラをした二人組みの女がいて、歩いていたんだ。
クソッタレ、やるなら降りてからにしてくれよ。
足が付いたら流石に面倒になるんで、口封じしておこうって気持ちはわかるけどよ、そりゃねえだろ。
気に入らないことが山ほどあって、それに俺はキレたんだろ。
頭に血が上ってきて気がつくと、俺は車を降りて右手でリボルバーをガンスピンさせながら女達に近寄り脅しかけていた。

「クソックソックソッ! なんでこんな路地裏に女が歩いてンだ? 犯すぞ」

「何あの駄犬、去勢していい?」

「ダメよ、軽くあしらっておきなさい」

なんだこの女達、なんで平然としてやがるんだ? ありえねぇ。
イラついてきやがった。あぁ、十分に楽しんでから炎の中に叩き込まねぇと収まりがつかねえぞ。

「おいお前等、この女もお持ち帰りだ」

車の中にいる奴等と先に行っちまった仲間を巧いこと呼び出し、こいつ等もトランクの中に詰めてやる。
こういうのを何って言うんだ。『風に吹かれて落ちた果物(棚から牡丹餅)』つーんだよな、それくらい覚えてるぜ。
こいつ等を詰めた後の『お楽しみ』のことを考えたら、苛立ちも消えて気分がノッてきやがった。

「I got jiggy wi……oh it shit!!(ハハハ、イカス決まりか……クソッタレ!)」

そんな気分で行ったのが運の尽きだった。銃を構えた途端に無数の破裂音がし、俺の手から銃が弾き飛ばされた。
落ちた銃の弾倉や銃身が黒く焦げて曲がってやがる……クソッタレ。
下手に動けば俺達も蜂の巣じゃねえか。

気がついて辺りを見渡すと、こっちが囲まれてやがる。
あいつ等、俺が呼び出している間に同じことしやがったな。
これじゃ『鹿狩りが虎狩りになる』ってもんじゃねえかよ。
狙撃銃や突撃銃を構えた迷彩服の野郎が……ざっと見たところで二十人はいるぞ、まだいるんじゃねえのか?
洒落にならねぇ。勝てるわけねぇだろ。
オマケに双子の女達までもライフルを構えてやがる。カタギじゃねえな、ありゃ。

ありえねぇ……クソッタレ! こっちは六人だ。たかが二人じゃねえかと高をくくっていたら囲まれていやがった。
それがなんだ、アレじゃ未来からきた殺人ロボットとお友達って奴じゃねえかよ。
癪に触りやがる。これ以上突っ込んで勝てる相手じゃねぇ。

「気分わりぃな……オイ、引き上げるぞ!」

情けない話だが、俺達は逃げ出したのさ。運がよかったことに奴等は深追いをしてこなかった。
だが、俺の自慢の50口径のリボルバーはなくしちまうわ、しかもトランクは開けられて、折角の『お楽しみ』までパーになるわで散々だ。
チャーリーの奴に車はくれてやるが、俺達に分け前をもらわねえとな。
チクショウ、これも全部あの女達があんなところに居やがったからか。
双子の女達のツラは忘れねぇ。今度あったら……一目散に逃げねえと、こっちが食われちまう。
クソッ! ACに乗っていれば簡単に潰せるってのによ。
今夜は悪い日になっちまった。


後書き 07年1月
補足説明
・チャーリー スポーツカーを運転していた人
・ティール Dランクの競技者シンクレアーの事
・双子の女 Bランクの競技者デュアルファングの事
あれ、なんか最初に書き始めたのとかなりベクトル違ってきたような……
GTAっぽいような雰囲気を出しておきながら、ブラクラ風味と突っ込まれました
B級映画風味ってのはあってるかも
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