ウィザードリィ6リプレイ15

相変わらず、天井には蝙蝠、床には白や黒、赤のこびりついたものがところどころにある。
あまり気乗りはしないが鐘楼の塔を登り、大きな鐘の上を歩いて最奥のドアを鍵を使って開けた。
そこには複数本の鐘のロープのスペアがあり、そのうちの一本を俺はいただくことにした。
早速、フックにロープを結びつけて固く縛りつけた。
これは非常に重い。少なくとも50ポンドはくだらないだろう。
こんな重いものは、さっさとしかるべきところで使ってしまおう。
そう思い、俺は危険地帯の奥地、あの渓谷へ向かうことにした。

目の前にはまるで底なしの落とし穴のような巨大な渓谷が口を開いている。
鍵爪のついたロープを渓谷の向こう側に投げると、大きな岩に上手く引っかかった。
もう片方のロープの端を固定した岩に固定した後、ロープに命を託して、渓谷の向こう側に渡った。

どこか、それほど遠くない辺りから何やら吸い込むような物音が聞こえてくる。
くちゃくちゃと何か食べているような音だ。

前方に不気味なものが横たわっている…それは、ただそこにいるだけのようだ。
どうもさっきの吸い込む音は、こいつが立てていたらしい。
その不思議なものに気をつけて近づいてみると、根本のところに太い管のようなものが付いているのが見えた。
どうも植物らしい。おっと! 腹が減っているようだ!
それは素早い動きで、俺に襲い掛かってきた。

緑の体をした食虫植物を巨大化させたもの、差し詰め人食い植物といったところか。
まるで肉食動物の口のように鋭い棘の付いた口を広げ、俺に噛み付いてきた。
幸い威力そのものはそうでもないが、その素早い動きから何度も浅く噛み付いてくる。
動物にある眼球は植物には無いので、何を基準にして標的を捕まえているかわからないが、兎に角こちらを狙って噛み付いてくる。
蝙蝠と同じ様な手段でこちらをサーチしているのかもしれない。
そう思った俺は、近くに落ちている石の欠片を複数、敵や壁に向かってばら撒いた。
しかし、そのような行為も無駄に終わり、敵は依然正確に此方の動きを捕捉して掴もうとしてくる。
小細工に頼るのはやめにしておこう。迫ってくる触手を長剣で弾き飛ばし、大きく開いた口めがけて長剣を使い突き刺した。
触手の先に付いている頭を突き刺したまま、乱暴に長剣を振り回した。
突き刺した部分の周辺から触手が千切れ、赤と緑色の汁を撒き散らしながら大きく触手を振り回した。
どうやら植物にも痛覚はあり、発狂しているようだ。
緑の人食い植物は白いガスを噴出しながら、首にあたる部分を不規則に振り回して回転させている。
このままでは、近寄ることが出来ない。今あるものは、目潰しに妖精の粉、それに飛刃の魔法が込められた巻物。
この植物に口以外の動物のような器官は無いので、二種類の粉は意味が無い。
となれば、魔法の力を使って攻撃するしかない。
俺はザックから巻物を取り出し、それを読み上げた。
魔法の書物や巻物の効果を発動させる技術に秀でているわけではない戦士が、この力を使ったとしても大した効果は現れなかった。
巻物は崩れ落ち、どこからともなく金属の刃が複数枚現れて緑の触手を切り刻んだ。
が、体の表面を切り裂いた程度で傷を与えたとは到底思えない。
それどころか、傷を受けたことにより更に激しく暴れまわるようになった。
まるで蛇のように触手をくねらせ、俺の体に巻きつこうとしてくる。
俺は左手の盾で触手を上方向に突き上げ、右手の長剣を振るって触手の頭を切り払った。
長剣の刃を受けた敵の頭が斬り飛ばされ、4フィート離れたところへ落ち、触手は赤と緑の液体を噴出しながら崩れ落ちていった。
崩れた触手を足蹴にしながら先へ進むと、奇妙なものを見つけた。
「E-Zエレベーター 下り」と書いてある看板があり、その下には妙なスイッチがある。
それを押してみると、床がゆっくりと動き沈んでいった。


ウィザードリィ6リプレイ16
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