危険地帯を抜け、鉄格子を東から順番に可能な限り全て開けていった。
一番東の牢屋には骨が積み重なっている。
山のように積み重なっているのは、忘れ去られた囚人の骨だった。
それも鎖に繋がれたまま死んだらしい。
骨の間を探ってみると、指の骨のところに変わった指輪があるのが見つかった。
調べてみると、周囲に文字が掘り込まれていた。
O
L L Y R O G E R
J S
あ わ
んごう・かいどくゆび
海賊の解読指輪を航海日誌の文字の上にかざしてみると、以下の文章を読めるようになった。
…相変わらず偵察隊からの連絡はない。
もう、残骸となった船は捨てるしかなさそうだ。
ちくしょうっ! この霧さえ晴れれば…
99
救命ボートで上流へ向かう。現在、生存者は9名。モーガンの顔色が悪い。
症状は他の者と同様。彼も病気になったようだ。
100
朝、モーガンの容体が悪化。夕方、死亡。原因不明の病気に、皆恐れをなしている。
もしかすると、我々が毎日食べているこの鼠肉が原因かも知れない。
次の数ページは汚れが酷く判読できなかったが、その更に次はまた読めるようになった。
106
船長は、船に戻れば皆死んでしまうといっている。
しかし、このままではいずれ皆幽霊になってしまうだろう。
体が消え行く原因がわからない限り…
107
今朝、ゴルモン死亡。症状は他の者と同様。ついに生存者は6名。
船長は宝箱を埋めなければならないといっている。運ぶには重過ぎる。
こんなクソッタレ山から下りられるなら、なんだって歓迎だ…
109
ロスコウが岩棚のところでモーガンを見たといっている。
勿論、皆モーガンが死んだのは知っている。
どうも、皆少しいかれて来たのかもしれない。
少なくともロスコウはおかしい…
109
今日、モーガンを見た。死んだはずのモーガンを見るなんて、俺も病気にやられたみたいだ。
あいつの顔は血だらけで、何も言わず、じっと俺の顔を見て笑ってやがる。
俺もいかれちまったらしい…
110
神よ守りたまえ! 今日、宝箱を生めて山を降りる途中、巨大な怪物に出くわした。
アレは人間だったかもしれないが、兎に角身の丈が3メートル以上もある。
ロスコウを捕まえ、頭を噛み切り笑いながら吐き捨てた。
我武者羅に逃げ切り、兎に角ここに来た。ここが何処だかはわからない。
我々は完全に道に迷った。船長は兎に角動き続けるしかないといっている。
111
ついに"ジャイアントマウンテン"から下山した。尤も、これは勝手につけた名前だ。
かなり大きな渓谷が続き、そこかしこに橋や渡り綱が張り巡らされている。
向こうのほうには一群の人影が見える。何かを掘っているらしい…
112
ドワーフたちに声を掛けてみることにする。もしかすると、助けてくれるかもしれない…
最後の数文字はインクがかすれてかろうじて読める程度で、その後は何も記されていなかった。
この航海日誌を見つけたところの骨のことを思い出してみるに、ドワーフは大して助けにならなかったようである。
クィークェグが探しているのは"ジャイアントマウンテン"のことだろう。
早速、開いた鉄格子を抜けて、クィークェグのところへ向かった。
"ジャイアントマウンテン"と呼ばれる所に宝はあることを伝えると、彼は大喜びした。
「ジャイアントマウンテン! なんてこった! 何で気付かなかったんだ!
おお、そうだ…合言葉は"スケルトンクルー"だ。情報、ありがとよ!
そうだ、もし良ければその書物をくれないか?」
「ああ、俺にとってもはや無用の長物だ」
「よし、交渉は成立だ。ありがたくもらっておこうじゃないか!」
念願の宝のありかを掴むことができ、彼は上機嫌のようだ。
しかしそれでおだてても、物の値段は安くならない。
不要物を売り、神秘の油というものを買っておこう。何に使うかわからないが。
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