休憩中に地図を一通り目を通してみたが、地下と一階はほぼ完全にいける範囲は全て歩いたようだ。
次は二階だ。西側の廊下を歩き、分かれ道の階段を登った。
一階や地下には劣るが、ここもかなり広い部屋になっている。そして扉の数が非常に多い。
南北に五つずつある。とりあえず、開くドアから手当たり次第調べてみることにした。
南西の部屋を調べてみると、古い木のテーブルと、いくつかの椅子の残骸が部屋の中央に積み重なっていた。
そして、壊れた酒ビンの破片が床一面に散らばっていた。
ビンの周りを調べていると、奇妙な黒い鍵が二つついている鍵輪が見つかった。
その鍵の握りの部分は、小さなスペードの形をしていた。
もう一つ鍵無しで開くドアは、二つとも登り階段へ繋がっていた。
残りは銅の鍵で全て開いた。ただし、北と東にある扉を除いて。
銅の鍵で開いた部屋は全て客間のようだ。取り分けて有益なものは見つかっていない。
無駄足だったと肩を落としながら、階段を登った。
登った先のドアにはこう書かれていた。
「鐘楼の開放は厳禁」
ドアを開けると、天井には大きな吹き抜けが見えた。
巨大な吹き抜けから上を見上げても、見えるのはただの暗闇だけだった。
しかし床の上には、小さな鼠のような生き物の死骸、血の痕、フン等上から落ちてきたものが散らばっていた。
螺旋階段を上り続け、最上階まで達した。
通路の先に大きくて黒ずんだ鐘が、鐘楼の頂上に静かにぶら下がっていた。
その鐘は薄黒いカビに覆われており、ところどころ蝙蝠の糞が染みを作っている。
そして、太くて長いロープが鐘から下の吹き抜けに下がっていた。
このロープを掴んで吹き抜けに飛び込めば鐘が鳴るのだろう。
吹き抜けを飛び越えるには、このロープを使う以外に道はなさそうだった。
ロープを掴み吹き抜けを飛び越えたのはいいが、一つ問題があった。
鐘は鐘楼の住人の目を覚ましてしまったようだ。蝙蝠が襲い掛かってきた。
やはり大量の蝙蝠がいる。蝙蝠は視覚ではなく違う力によって視野を確保しているため、目潰しは効かない。
となれば、やはり眠りの粉をぶつけるしかない。
眠りの粉を蝙蝠達にぶつけると、バタバタと地面に落下していき、そのうちの何体かは吹き抜けの下に落ちて行った。
このまま交戦するのも面倒だ。全て吹き抜けの穴に落としてやる。
起きている蝙蝠は切り払い、ひたすら長剣を使って床に落ちた蝙蝠を穴の中に落とし続けた。
この光景は他人が見ているとしたら、戦闘というより何かの作業をしているようにしか見えないだろう。
こうして勝利し、吹き抜けを抜けたのはいいが、ドアが開かない。未知の鍵を使わない限り開かないだろう。
吹き抜けを飛び越えるため、もう一度鐘のロープに飛び乗り、鐘を鳴らして蝙蝠達と戦うことにした。
ダメだ、戦闘が面倒になってくる。そう感じた俺は一目散に階段を下り、一階まで走り抜けた。
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